見るのではない感じるのだ

浜松の造園屋ふなこし

2012年05月07日 19:21

私が思うにですね、日本人の感性で素晴らしいと思うものは

「想像させる力」だと思うのです。

創造は苦手でも想像は得意だぞ、というか。


何でこんな話題なのかといいますと、実は和風庭園でよく使われるのですが、死角を利用して実際の大きさよりも大きく見せる技法があるのです。

例えばこの写真。



先日作業させて頂いたお施主さん宅の裏山にあったものですけどね。

どうですか?

暗い洞窟、暗黒の世界。どんな冒険が僕達を待ち受けているのだろうか?

そんなイメージを連想させる洞穴ですよね。

・・・でも実際は、こう。



冒険どころか、子供が一人入るのがやっとじゃないっすか(笑)


このように視点のアングルを変える事で、実際は無い空間を見ている人に想像させる技法が、よく見ると和風庭園では多用されています。

土を盛った裏側を深い入江に見せたり
手で持ち上がる石を、さも大きな巨石に見せたり

物理的な限界を突き抜ける方法として、日本人は こういった技法を古くから取り入れてきているんですね。

狭い庭を大きく見せる事だって、結構簡単に出来てしまうものなんですよ。


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