貴方の暮らしを考えると庭は3つに分かれます
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2010年05月21日

庭を庭として、その観賞価値を高めるために

私共は庭屋ですから、当然ながら荒れてしまった庭や公園の木を

「キレイにして欲しい」という依頼を頂く事があるのですが

ではひとたび「キレイにするぞ」となれば、ほぼ良い形にまとめるまでに

少なくとも5年くらいのスパンは最小限でも必要だと考えます。


そんなに長い年月が必要なのには理由があります。


荒れた庭はもちろんなのですが、判りやすいのは造ったばかりの庭で

木が何だか庭に馴染んでおらずに、落ち着かないように見えます。

それもそのはずで、たとえ全体のバランスを考慮して植えたとしても

それは完璧にバランスが整っている訳ではないからです。


どういう事かというと、庭石や庭木には、それぞれが放っている

一定方向への力があり、各石や木のそれらが複雑に絡み合う事で

見た感じのバランスを保っています。


例えば △ を見た時、その形が縦に長かったら上への力を

また、裾が広がっていたら横への力をそれぞれ感じませんか?


それを造園用語で 『勢い』 と言います。

わが国では古来より庭造りの重要な要素の一つとして挙げられ

植えたばかりの木は、その『勢い』が庭に馴染んでおらず

若干ながらその方向をずらしているからなのです。

植えた後の手入れでそれを正しく導いていくので

手を抜くと荒れた感じになってしまうのです。


実は以前、有名な建築家による建物に付随する、

有名な作庭家による庭を見に行った事があります。

正直、ガッカリしました。

そこの管理は従業員の方が片手間で行っており

枯れるか枯れないか、という観点では

良好な育成状況なのですが、全く馴染んではいませんでした。

これでは、素晴らしい建築も

それに勝るとも劣らない庭の地割や石仕事も台無しです。


庭の構造物に馴染ませるように植木に手を入れていくには

優れたバランス感覚と技術が必要で、惜しみない努力と年月こそが

その感覚と技術を作るのです。


それは、仕事の現場に置いてのみ鍛えられるものなのですが

幸い私たちの会社には経験豊富な職人がいます。

それに、若手の育成も忘れていません。

現場はもちろん、バランス感覚を研ぎ澄ますための講習を

当社独自に行っていますし、樹木や庭に関する書籍も

誰もが閲覧できるような場所に置いてあります。

事実、コッソリ見ているようで嬉しくなってきます。


当人限りのノウハウではない、創業以来コツコツ積み重ねたノウハウを

若手職人が吸収しやすい環境にあるからこそ

庭や公園の観賞価値を高める事ができるのだと自負しております。


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Posted by 浜松の造園屋ふなこし at 18:18│Comments(0)よく分かる?解説
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プロフィール
浜松の造園屋ふなこし
浜松の造園屋ふなこし
創業50年、浜松で自然素材を使った庭造りを得意としている、舩越造園といいます。 実績は、三方原墓園の大規模庭園から家庭のちょっとした坪庭まで、浜松市内に200以上。庭園や企業緑地管理は重要文化財指定の寺院や一部上場企業まで多数。 最近では、60万円~150万円くらいの造園が多いです。
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