読破本の紹介06

浜松の造園屋ふなこし

2006年04月17日 18:35



「海賊」と聞くと、何だか悪いイメージを持ってしまうかもしれません。



イヤ、まったくその通りです。



時の権力者になびかず、彼らの枠組みからはみ出し、自らの価値観を押し通して生きる事は、国家の作った秩序を遵守している者からすると、悪者なのかもしれません。



北方謙三さんの描く「海に生きる人物像」は、時の権力になびく事なく、自らの、そして海に生きる者としてのプライドを持って生きており、本作の主人公藤原純友も、そんなプライドを持った人物です。



時は平安。エリート家系の傍流に生まれ、苦労は無いが出世もソコソコどまりといった境遇に生まれた純友は、ひょんな事から伊予に赴任し、そこで気持ちの中に大きな変化を起こす事になります。



歴史に埋もれた「海賊・藤原純友」をダイナミックに描いた作品の上巻です。



もちろん、ソッコーで下巻を読みたくなります(笑)




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絶海にあらず〈上〉

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