ただ愛されたかっただけ
タイトルで釣ってスイマセン・・・
でも、一所懸命書いたんで、しばしのお付き合いを。
人は誰でも、嫌われたいと思って行動を起こす事はありませんよね。
結果として嫌われたり、その積み重ねの後、
腹いせで嫌われる行動を積極的に起こしたりという事はあるでしょうけれども。
自暴自棄になって人間関係を投げ出したとしても、
人として生活を営んでいる限り必ずそれはついてまわるもので、
じゃあ、それを能動的に活用し楽しむにはどうすればいいのだろうか?
と考えても、ところがナカナカそうは行かないのが人というもので、
そこにドラマが生まれたりもするわけです。
偉大なる皇帝、アウグストゥスのすぐ跡と、その跡を継いだ2人の皇帝、
2代ティベリウス と 3代ガイウス(通称カリグラ) は、世間から悪評を受けます。
しかし2人が等しく受けた悪評は、全く違った理由によってなされたものでした。
私は思うのですが、それは
他人と話をしなさすぎた事
と
他人と話をしすぎた事
ではなかったでしょうか。
首都ローマを離れ、孤島に隠棲し、誰とも会う事無く書面によって国を動かし続けたティベリウス。
ティベリウスの受けた不評を真に受け、それを覆す事だけに注力したカリグラ。
どちらも国民とのギャップを埋められずに招いた不幸という意味では同じなのかもしれません。
帝政のいしずえを築いたカエサルや初代皇帝となったアウグストゥスにあって、
彼らになかったもの。
それは、良い事も悪い事も
他人をありのまま受け入れる能力
ではなかったのかと愚考します。
ポジティブさを失いつつあるローマ帝国ですが、
どうやら学び取れる部分はまだまだありそうです。
ローマ人の物語〈18〉悪名高き皇帝たち(2) (新潮文庫)
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