読破本の紹介10

浜松の造園屋ふなこし

2006年05月25日 17:42

私達の日常でも、否応なく物事の流れに引きずり込まれてしまう事がまれにあると思いますが、当時のローマも、そんな事情から大きな戦争に突入していったと作者は語ります。

隣の【困ったサン】を平定すると、その隣にいた【困ったサン】と隣同士になり、そこを平定するとそのまた隣・・・・・という具合に、なし崩し的に版図を拡大しつつ、ロングブーツにも似たイタリア半島のほぼ全てを傘下におさめたローマに、ついに地中海の強国カルタゴとの激突がやってきます。

それは、ブーツのつま先に蹴られた様な位置にある三角形の島、シチリアにある小国、メッシーナからの救援要請によってもたらされました。

シチリアにある2つの都市国家の代理戦争という形で始まったローマとカルタゴの最初の戦争は、思いの外あっけなくローマの勝利に終ります。

ここからは私見ですが、ローマの勝因は

・ 既成概念に囚われない組織の改革
・ 理路整然としたシステムの遵守

という、相反する2つの概念が上手く機能したからにほかならず、さらにこれら2つの概念が発揮された部分を大きく分けると

・ 外部に対する事は柔軟に(情勢変化に強くなる)
・ 内部に対する事は画一的に(組織内部や近隣諸国の信用向上)

という良循環がもたらしたものではないかと思います。

良い勉強をさせてもらいました。

感謝!


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ローマ人の物語 (3) ― ハンニバル戦記(上) 新潮文庫

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