読破本の紹介16

浜松の造園屋ふなこし

2006年08月13日 09:49

クライアントとパトロンの語源となった「クリエンテス」「パトローネス」は、ローマ時代の権力構造で欠かせない人と人との繋がりでした。

もっとも、

・誰かを支援する組織があって、その支援の見返りに何か便宜を図る
・やりたい事がある誰かを、その行為によって利益がある人達が支援する

見かたは色々ありますが、「クリエンテス」「パトローネス」というその構造自体は今でも変わらないのかもしれません。

ユリウス・カエサルは、今のフランスへ侵攻したガリア戦役を、自らのクリエンテス(支援者)作りのためにも行なったフシがあります。

しかし、攻め取ったフランス一帯の人々から多くを搾取するのではなく、今まで以上に負担を軽くしながら、ローマ文明という効率的な考え方を教える事で、全体の底上げを図り、よりユリウス・カエサルに有利に働くようにしました。

これぞ WIN-WIN ですよね。

アナタも幸せワタシも幸せの状態を築いたユリウス・カエサルのキーワードは

寛容

もちろん、この単語が優れているという事ではなく、この単語を政策スローガンにし、彼自身の行動と発言がこの言葉と一致し続けたからこそ、当時の人々は皆彼を信用し、彼の支援者になったのだと思います。

社会での信用というものがどういうものなのか?

ようやくボンヤリと見えてきた気がします。

感謝!


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ユリウス・カエサル ルビコン以前(中)ローマ人の物語9 (新潮文庫)

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