白と青のアツレキ

浜松の造園屋ふなこし

2007年07月19日 15:23

大手企業なんかではよく取り沙汰されますよね。

ホワイトカラー VS ブルーカラー

両者の意見は決して交わる事無く、永遠に続く平行線なのかもしれません。

しかし、ギシギシガリガリと音を立てながらも組織は動き続け、摩擦で削られた人達は、ドロップアウトしていくのでしょう。

なーんてもっともらしい事を言ってみたりしてますが(笑)


アウグストゥスは晩年、義父カエサルが決めたローマの国境線、ライン河-ドナウ河路線を崩し、現在のドイツを取り入れたエルベ河-ドナウ河路線を推し進めようとします。

現フランス側にグイッと入り組んだ

・ ライン河全延長+ドナウ河の全延長

では防衛ラインが長すぎであり、ほぼ直線的に南下する

・ エルベ河全延長+ドナウ河の半分

の防衛ラインが確立すれば、守備兵力を大幅に削減できるというのがその考えです。

そう、

地図上では的確です。

しかし、大軍の利を活かせない森林地帯であったゲルマンの地は、制圧からローマ化まで、すべてにおいて非効率的であるという事項は机上からは見えてこない事でした。

ゲルマンの森で記録的な大敗を喫したローマは、以後長きに渡り、ライン河-ドナウ河路線を崩す事無く、ゲルマンの地を静観する事に決めました。

まさに、現場を知らないという事が要因となった出来事でした。


しかし、と思うのです。

ここで蓄えられた 「知」 は机上に記録され、 「静観」 という国策に充分に活用されていきました。

組織とは多くの人や世代を内包し、永遠に続く事を究極の目標としています。

これは、一部例外を除いて、どんな組織でも変わらないでしょう。

人の記憶と言い伝えでは、組織のノウハウは上積みされて行かないのです。


机上無くして組織の成長無し。

現場無くして組織の成長無し。


担っている場所が違う。

そう思える組織が作りたいです。


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ローマ人の物語〈16〉パクス・ロマーナ(下) (新潮文庫)

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