人の力をまとめる方法
ひとりひとり違う考え方を持った多くの人間を、自らが望む一定の方向に導くには、いくつかの方法があると思います。
それは、良くも悪くも歴史上に名を残した人物が用いて来た方法であり、多くのベクトルが飛び交う今この瞬間にも、世界中で用いられているのでしょう。
3月15日、有名な 「ブルータス、おまえもか!」 の名シーンが訪れます。
ユリウス・カエサルは暗殺され、ローマ世界は混沌の中に突き落とされ・・・・・は、しませんでした。
徹底して合理的な手法を好み、その考え方で次々と政治改革を成し遂げたカエサルは、幸いにも自らが居なくても動き続けるシステムというものを作り上げたからです。 (前章)
ローマ世界の分裂は誰が気付く事も無く免れ、権力闘争にローマは突入していきます。
その勝者はカエサルの後継者となった若きオクタヴィアヌス。
彼は当時、無名で誰も知らないといっても過言ではない、非常に小さな存在でした。
しかしオクタヴィアヌスは、カエサル暗殺の実行者達を次々と葬り去りながら徐々に権力を付け、知名度を上げ、最終的にはアントニウスという政敵をエジプトで破り、名実共にカエサルの後継者、つまりローマ世界の覇者となるのです。
※この間、非常にドラマティックな物語があります(クレオパトラとか)が、ここでは割愛※
そのオクタヴィアヌスが覇道で掲げたスローガンは、
復讐。
それは、
世界で一番 分かりやすく
世界で一番 即効性があり
世界で一番 鋭い力を発揮する
世界で一番 悲しい人間の導き方でした。
【復讐】 【迫害】 【目標】 【希望】・・・ひとりひとり違う考え方を持った多くの人間を、自らが望む一定の方向に導くには、いくつかの方法があります。
私自身が後継者として一人立ちした時に掲げたいスローガンは、決して悲しい物にはしたくありません。
その時はすぐかも知れないし、まだ先かも知れない。
その瞬間が訪れるまで、精進を続けて行きたいと思います。
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ローマ人の物語〈13〉ユリウス・カエサル―ルビコン以後(下) (新潮文庫)
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